偶然入った店が当たりだった。田川市「相撲茶屋貴乃花」で知った小さな奇跡

相撲茶屋貴乃花の看板

昼食の時間が迫っていた。

私は田川市総合体育館へ向かっていた。カノアラウレアーズ福岡の応援に行く道中だったのだがお腹が空いている。スマートフォンを握りしめて飲食店を検索してみた。でも、どこに入ればいいのかわからない。土地勘のない場所での飲食店選びは、まるで目隠しでダーツを投げるようなものだ。

その時、画面に飛び込んできた。

「相撲茶屋貴乃花」

相撲。茶屋。貴乃花。この三つの単語が並んだ瞬間、私の中で何かが反応した。行くしかない。理由はわからないが、行くしかないと確信した。

というわけで、今日は田川市で出会った素敵なレストラン「相撲茶屋貴乃花」と、そこで知った小さな奇跡について語ります!

店に入った瞬間、タイムスリップした

ドアを開けた。

貴乃花親方

そこは、昭和と平成が混ざり合った空間だった。壁一面に飾られた写真。相撲取りたちの姿。貴乃花のお父さんの時代から続く、力士たちの歴史が、そこにあった。

正直に言うと、私は相撲にそれほど詳しくない。貴乃花が横綱だったことは知っている。強かったことも知っている。でも、それ以上の知識はほとんどない。

それでも、その写真の数々を見ていると、何か特別なものを感じた。歴史の重み。伝統の温かさ。そして、それを今も大切にしている人たちの想い。

店の中央には、小上がりがあった。土俵をイメージしているのだろうか。私はそのテーブル席に座り、メニューを開いた。まるで宝の地図を広げる冒険者のように、ワクワクしながら。

相撲茶屋貴乃花店内

メニューを見て、心の準備をした

定食、丼もの、麺類。どれも美味しそうだ。

私は刺身定食を選んだ。それと鳥たれ焼き定食。どちらも「定食」という控えめな名前だが、メニューの写真を見る限り、ただの定食ではなさそうだ。ボリュームがある。かなりある。

「まあ、お腹空いてるし、ちょうどいいかな」

そう思っていた私は、まだ何も知らなかった。自分がこれから目撃する光景を。

待つこと数分。

料理が運ばれてきた。

これは一人前ではない。これは海の幸の祭典だ。

「お待たせしました、刺身定食です」

店員さんが置いていったその皿を見て、私は固まった。

「え?」

目の前にあるのは、刺身の大陸だった。三人前はあろうかという量。私の常識が、音を立てて崩れ落ちていく。

刺身定食

マグロ、サーモン、ヒラメ、タイ、ぶり、手前は馬刺し?魚の様々な部位が、芸術的に盛り合わせてある。それぞれの魚の赤、ピンク、白が、まるで絵画のように配置されている。

「これ、本当に一人前なんですか?」

私は心の中で何度も問いかけた。でも、現実は変わらない。目の前には確かに、圧倒的な量の刺身がある。

連れの鳥たれ焼き定食も負けていない。鶏肉の量がすごい。タレがたっぷり絡んだ鶏肉が、山のように盛られている。食べ応えありすぎる。

私たちは顔を見合わせた。そして、無言で箸を取った。

量だけじゃない。これは美味しい。

一切れ目の刺身を口に運ぶ。

美味い。

新鮮で、脂がのっていて、口の中でとろける。醤油とわさびのバランスも完璧。次の一切れ。また美味い。その次も。また美味い。

私は気づいた。これは、量で勝負しているのではない。量も味も、両方なのだと。

鳥たれ焼きも食べさせてもらった。柔らかい。タレの甘辛さが絶妙で、ご飯が進む。というか、進みすぎて危険なレベルだ。

「美味しいな」

ぽつりと言った。私も頷いた。本当に美味しい。量が多いだけじゃなくて、一つ一つが丁寧に作られている。

私は刺身を食べながら、壁の写真を眺めていた。力士たちの真剣な表情。稽古の風景。取組の瞬間。この店の人たちは、きっと相撲が好きなんだろうな。そして、お客さんに喜んでもらいたいと思っているんだろうな。

そう感じた。

食べ終わって気づいた、もう一つの真実

私たちは、なんとか完食した。

満腹を通り越して、もはや幸福だった。お腹はパンパンだが、心は満たされている。「美味しいものを食べた」という充実感が、全身を包んでいる。

会計の時、お店の人と少し話をした。

「今日、この後カノアラウレアーズ福岡の試合を見に行くんですよ」

私がそう言うと、店の人が笑顔で答えた。

「あ、そうなんですね!うちも選手たちに食事支援させてもらってるんですよ」

その瞬間、私は驚いた。

JORIOは、カノアラウレアーズ福岡のパートナーとして応援させていただいている。名入れギフトで、選手たちやチームを支えている。

そして、この相撲茶屋貴乃花も、食事という形で選手たちを支えていた。

私たちは、知らずに同じチームを応援していたのだ。

「そうだったんですね!」

私は嬉しくなった。田川市で偶然入ったこの店が、実は同じ想いを持っていた。それが、なんだかとても嬉しかった。まるで遠い場所で同じ星を見上げていた人と出会ったような、不思議な繋がりを感じた。

帰りがけに、もう一度店内を見回した。土俵のような小上がり。歴史を刻んだ写真たち。そして、私たちが食べた圧倒的な量と質の料理。

後で調べて知ったのだが、貴乃花部屋は今はもう存在しないらしい。でも、このお店は「貴乃花」を掲げ続けている。そして、相撲への敬意を持ち続けている。地域のスポーツチームを支え続けている。

貴乃花の写真とカノアラウレアーズ福岡のフライヤー

まとめ:偶然は、偶然じゃないのかもしれない

田川市の相撲茶屋貴乃花。

そこで私が経験したのは、小さな奇跡だった。

偶然入った店が、料理も美味しくて、量も満足で、雰囲気も素敵で。そして最後に知った、私たちが同じチームを応援しているという事実。

世界は思ったより小さくて、思ったより温かい。

もしあなたが田川市に行く機会があったら、ぜひ相撲茶屋貴乃花に立ち寄ってみてください。圧倒的な刺身定食が、あなたを待っています。そして、もしかしたら、あなたも小さな奇跡に出会えるかもしれません。

偶然は、偶然じゃないのかもしれない。

私はそう思いながら、満腹のお腹を抱えて体育館へ向かいました。


JORIOは、カノアラウレアーズ福岡のパートナーとして応援しています。想いを形にする名入れギフト、あなたの大切な人へ届けませんか?

相撲茶屋貴ノ花Instagram