いつも通う焼肉店が、実は60年の歴史を持っていた。黒崎の名店「南大門」

夕方、仕事を終えた私は思った。
「今日は焼肉が食べたい」
理由は特にない。ただ、肉を焼いて食べたい。タレにつけて食べたい。ご飯と一緒に食べたい。そういう気分だった。
そして私は、いつものように黒崎の「南大門」へ向かった。自宅からもJORIOの店舗からも近い、私の行きつけの焼肉店だ。まるで帰巣本能を持つ渡り鳥のように、私の足は自然と南大門へ向かう。
その時の私は、まだ知らなかった。
この店が、60年もの歴史を持っているということを。
というわけで、今日は私が愛する焼肉店「南大門」と、その60周年記念品を作らせていただいた喜びについて語ります!
目次
いつもの注文が、私の人生を支えている
南大門に入る。
店員さんが笑顔で迎えてくれる。私はいつものように席に着き、いつものようにメニューを開く。でも実は、もう何を注文するか決まっている。
赤身セット。おいも豚。チシャの葉。石焼ビビンバ。

これが私の定番だ。そして、次の日に特に予定のない日は、にんにくのオイル煮を追加する。翌日の口臭リスクを冷静に計算した上での判断である。まるで天気予報を見てから傘を持つか決めるような慎重さだ。
料理が運ばれてくる。
赤身肉を網の上に置く。ジュワーッという音。この音を聞くだけで、私の心は満たされ始める。まるでオーケストラの序曲のように、焼肉の時間が始まるのだ。
一口食べる。
美味い。
これが、私がここに通い続ける理由だ。
煙たくない焼肉店という奇跡
南大門の素晴らしいところは、味だけではない。
店内が煙たくないのだ。
焼肉店といえば、煙。煙といえば、服へのにおい移り。これは焼肉愛好家たちの永遠の悩みである。「明日、大事な会議があるのに、焼肉のにおいが取れない!」という悲劇を、私たちは何度経験してきたことか。
でも、南大門は違う。
煙が気にならない。服ににおいがつかない。翌日、「昨日焼肉食べたでしょ」と言われることがない。まるで焼肉を食べたという証拠を完全に隠滅してくれる探偵のような存在だ。
もちろん、煙たいお店も味があって良い。あの煙の中で肉を焼く体験も、焼肉の醍醐味の一つだ。でも、においを気にせず焼肉を楽しみたい人にとって、南大門は天国のような場所なのである。
一昔前の私は、参鶏湯に恋をしていた
今でこそ赤身セットとおいも豚が私の定番だが、一昔前は違った。
参鶏湯。
私はこれにハマっていた。深く、激しく、ハマっていた。
鶏の骨がボロボロになるほど柔らかく煮込まれている。スープは滋養強壮に良さそうな味がする。「これを飲めば、明日も頑張れる」という謎の自信が湧いてくる。まるで魔法の薬を飲んだ勇者のような気分だ。
でも、人の好みは変わる。
今は赤身とおいも豚。そしていつか、また別の何かにハマるかもしれない。それが、人生だ。
自家製ドレッシングという新たな発見

最近、南大門は店頭で自家製ドレッシングを販売している。
私はそれを買った。
見た目は、唐辛子がたっぷりで辛そうだ。まるで「覚悟はできているか?」と問いかけてくるような赤さである。
でも、食べてみると違った。
甘味と旨みがある。辛いけど、優しい。矛盾しているようだが、それが事実だ。
私はこのドレッシングを、豆腐にかけた。納豆にかけた。サラダにかけた。そして鍋の味変にも使った。まるで万能調味料のように、何にでも合う。冷蔵庫に常備しておきたい一品である。
そして、60周年という事実を知った
ある日、南大門から連絡があった。
「60周年の記念品を作りたいんですが、相談に乗ってもらえますか?」
60周年。
その数字を聞いた瞬間、私は驚いた。
「えっ、60年も続いているんですか?」
私がこの世に生まれるずっと前から、南大門はここにあった。黒崎の人たちに焼肉を提供し続けてきた。60年間。途切れることなく。
その事実の重みを、私は初めて知った。
私たちは、コルクコースター300枚を制作させていただくことになった。60周年という節目を祝う記念品だ。
デザインを考える。素材を選ぶ。一枚一枚、丁寧に作る。その作業の一つ一つが、私にとって特別な時間だった。
いつも通っている店。いつも美味しい肉を食べている店。でも、その裏には60年の歴史があった。
まるで毎日見ている景色の中に、実は隠れた物語があったことに気づいたような感覚だ。

継続することの美しさ
60年続けるということ。
それは、簡単なことではない。
味を守り続けること。お客さんに喜んでもらい続けること。時代の変化に対応し続けること。そのすべてを、60年間やり続けてきた。
私は、その記念品を作らせていただけたことを、心から嬉しく思う。
南大門、60周年おめでとうございます。
これからも、黒崎で美味しい焼肉を提供し続けてください。私も、これからも通い続けます。赤身セットとおいも豚を食べながら、この店の歴史の一部になれることを、誇りに思いながら。
そして、次の日に予定がない時は、やっぱりにんにくのオイル煮を追加します。






